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外反母趾・陥入爪(巻き爪)

外反母趾・陥入爪(巻き爪)

外反母趾・陥入爪(巻き爪)について

陥入爪(巻き爪)について

陥入爪(巻き爪)について巻き爪とは、爪の両端の先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪が食い込んでいき、次第に激しい痛みを引き起こすようになります。この状態を「陥入爪」と言います。さらには曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になる場合さえあります。
巻き爪は見た目が悪くなってしまうだけのことだなどと侮らず、きちんと治療することが大切です。
原因は自然に起こることもありますが、「合わない靴を履くこと」が外反母趾が起こる原因です。

巻き爪(陥入爪)の治療法

巻き爪(陥入爪)の治療法には、「手術療法」と「保存療法」の2種類があります。
通常の保険診療もありますが、ワイヤープレートを用いた治療(マチワイヤーやマチプレートによる痛みの無い治療んもあり)で診る場合は「自費」となります。
実際に診察して、治療にかかる期間などについてお話ししながら、患者様に合った治療法を選択させていただきます。

足と靴の医学/整形外科医師:町田英一

陥入爪手術

  • 簡単なもの:食い込んだ爪の先を切除する方法です。
  • 複雑なもの:形成手術、つまり爪床爪母の形成・爪縁の皮膚形成を伴う方法です。

また、爪周囲に化膿がある際には切開排膿が行われます。

  • 皮膚切開術:膿の溜まっている部分を切開して排膿し、生理食塩水などで洗浄します。

保存療法

保存療法には昔から行われている「コットンパッキング」と、手術に代わる方法として注目されている「矯正療法」があります。

・コットンパッキング(保健診療)

軽度の巻き爪であれば、コットンパッキングを行います。巻き爪を起こした爪の両端と、その下の皮膚の間に、コットン(綿)を小さく丸めて挿入します。これだけでも、ある程度の痛みはやわらぎますが、効果があるのは「軽度の巻き爪」に限られます。

・マチワイヤーやマチプレートによる治療(自費診療)

この矯正方法には、プラスチック性のプレートや金属製のバネを使用するものや、形状記憶合金のワイヤー、プレートを使用するものまで、様々な種類があります。
なかでも超弾性ワイヤー(マチワイヤー)を使用することが多く、このマチワイヤーによる方法では、爪の先の両端の白い部分に孔を開けた後、マチワイヤーを通し、その復元力で爪の変形を矯正します。
ワイヤーの装着自体は、10分程度で完了します。ワイヤーを装着した時点からほぼ無痛で、装着した当日から入浴もできます。
ただし、少しずつ矯正を進めていくので、4~6週ごとにワイヤーを入れ替える必要があります。また、爪の変形の度合いによっては、完治するまでに3~8ヶ月、長い人では1年以上かかるケースがあります。
この矯正方法なら、ほとんどの巻き爪に対応できますが、爪が短い場合はワイヤーを挿入するスペースがないため、いったんコットンパッキングで時間稼ぎをするか、形状記憶合金製のプレート(マチプレート)を使用します。
プレートの装着は、爪に医療用接着剤を塗布し、変形した爪の表面に直接貼り付ける方法をとります。あとは、熱を持つことで真っすぐになるプレートの性質を利用して、ドライヤーで1日に3~4回温めるという簡単なものです。

外反母趾の合併

巻き爪(陥入爪)に外反母趾が合併しているケースもありますので、外反母趾についても触れておきます。

外反母趾とは

特徴的な症状は足の母指(親指・母趾)の先が人差し指(第2趾)のほうに、ひらがなの「く」の字に曲がり、指のつけ根の突き出したところが痛む状態です。その突出部が靴に当たって炎症を起こし、ひどくなると靴を履いていない時も痛むようになります。
外反母趾の一番の原因は「合わない靴を履くこと」です。幅の狭い、つま先が細くなった靴を履くと、母指のつけ根から先が圧迫され、変形します。ヒールの高い靴ですと、つけ根にかかる力が増え、さらに変形を強くします。
10代に発症する場合は、母指が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりするといった外反母趾になりやすい特徴がみられます。最も多い中年期のものは履物に加えて、肥満と筋力低下などによって起こります。
健常な足には、縦のアーチだけでなく、横のアーチがあります。外反母趾では、これらのアーチが崩れて扁平足になり、中ほどにある母指の中足骨(ちゅうそくこつ)が扇状に内側に開き、それから先の指は逆に靴で外側に圧迫されて起こります。

外反母趾の予防と治療

予防

  • 母指のつけ根はフィットして、先のゆったりした履物を選んで履きます。
  • 足の指のすべてを開く(グー、チョキ、パー)ような、外反母趾体操を毎日行います。
  • 両足の母指にそれぞれ輪ゴムを引っ掛け、足先を開く体操を行います。
  • 母指と人差指の間に装具を挟みます。

足底板療法

外反母趾などの足部変形を放っておくと、歩きにくくなったり、痛みで靴が履けなくなるほどに変形が進行することがあります。そうなる前に進行を抑制し、快適な足の形状を保持する「足底板」(中敷)を作成し(保険適応)装着することは、外反母趾による障害を予防・改善する重要な方法の一つです。

運動器リハビリテーション加療

外反母趾などで、足の変形が生じてくると、足の筋肉や靱帯などは萎縮して血液循環や組織の代謝も低下します。そうした外反母趾による障害を予防・改善するために、理学療法士が関節可動域訓練や筋力強化訓練、歩行訓練などを行います(保険適応)。

手術療法

変形が進むと、指についている筋肉も変形を助長するため、体操や装具では元に戻りにくくなります。痛みが強く、靴を履いて歩行することがつらくなったら、手術を考慮します。
外反母趾にはいろいろな手術法がありますが、変形の進行の程度により方法を選びます。最も一般的なのは、中足骨を骨切りして矯正する方法です。手術は腰椎麻酔か局所麻酔下に行われ、所要時間は通常1時間以内で、翌日から歩行が可能です。ただし、従来の靴が履けるようになるには、2ヶ月間ほどかかります。

*当院は、足のトラブルにも対応できる靴の販売・調整・製作等を行っており、そのスタッフは全員が足と靴の専門知識を身に付けている「アルカ」とも連携しております。

足に良い靴屋。アルカ

日本靴医学会